歯周病は虫歯に並んで歯の二大疾患と言われており、30代以上の3人に2人が歯周病とも言われています。
虫歯は歯が蝕まれるのに対し、歯周病は細菌によって歯肉や歯ぐきに炎症が起こり、
歯を支えている骨が溶かされる病気で歯を失う最大の原因でもあります。
歯周病は知らないうちに進行していることが多く、
手遅れにならないためにも定期検診などで早期発見・早期治療をできるようにしていきましょう。
歯周病は初期の段階では痛みなどの自覚症状がないため、気づかず放置してしまう方も多くいらっしゃいます。
しかし歯周病は静かにどんどん進行していくため「腫れている」「歯ぐきから出血がある」「隙間ができた」などの
症状で受診をしたときには、すでに重症になっていたというケースもあります。
歯周病は感染症なので、1本の歯だけでなくお口全体に広がっていきます。
歯周病に一番効果的なのは予防です。
毎日のケアはもちろん、歯科医院での定期的なメンテナンスで予防を積み重ねましょう。
歯周病の進行度はSTAGE1~STAGE4の4段階に分けられます。
初期段階のSTAGE1では自覚症状がなく、STAGE2から上記のような自覚症状が出始めます。
STAGE3以降、重度になってしまうと最終的には歯が抜けて落ちてしまいます。
もしも歯周病になってしまったらまずは進行を止めることが第一です。
早めの受診と治療で進行をとめ、その後も毎日のケアと定期検診でケアを継続しましょう。
炎症がなく、歯肉もきれいなピンク色です。
歯と歯ぐきの間に汚れがたまり歯肉に炎症が起きます。場合によっては歯磨きの際に出血がみられます。歯を支えている骨には影響はありません。
歯肉炎が進行し、さらにお口の中で細菌が広がった状態です。歯を支える骨も少し溶かされはじめ、歯周ポケットも(歯と歯ぐきの境目の溝)深くなり始めます。
軽度歯周病よりさらに骨が溶かされた状態です。歯周ポケットがより深くなることで、汚れがさらにたまりやすくなります。歯の痛みなど、明らかな自覚症状がでてきます。
歯を支える骨は大きく溶かされ、歯がぐらつき始めます。歯周ポケットがかなり深くなり、歯根部分まで汚れや歯石が付着します。放置すると歯が抜け落ちてしまいます。
歯に付着した歯石を除去する方法です。
歯石はプラークが石灰化したもので、唾液中のリンやカルシウムによって歯に付着したプラークが石のように固くなります。
スケーラーと呼ばれる専用の器具を使い歯石を取り除き、歯の表面をなめらかにしていきます。
スケーリングよりもさらに深い部分、歯周ポケットの内部や歯の根っこ部分に付着した歯石を除去する方法です。
細菌に侵された歯の部分も除去することで歯周病の原因を取り除きます。
歯や歯の表面がなめらかになることで、汚れの再付着を防ぐ効果もあります。
毎日の歯磨きが正しく行えているかのチェックとアドバイスを行います。
磨き方はもちろん、磨く回数や時間、歯ブラシの選び方などもお伝えします。
歯周病が進行することで歯周ポケットが深くなり、歯石の除去が困難な場合は外科的処置を選択することがあります。